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透析を始めると、身体の状態が大きく変化します。特に透析初期は身体への負担が大きく、いろいろな症状を経験される方も少なくありません。ここでは、透析が招く症状と、その予防法をご紹介します。これから透析を始める方はもちろん、透析をしていて調子が悪いと感じる方にもぜひご一読いただきたいと思います。
透析を始めると、血液中の老廃物が取り除かれます。急に老廃物がなくなったので、まだ老廃物が残っている脳との間に血液の濃度差が生まれ、濃度の高い脳に水分が流れ込んでしまいます。
この水分が脳のむくみを起こし、脳圧を高めてしまいます。これを不均衡症候群と呼びます。頭痛や吐き気、血圧の変動、だるさ、痙攣などがその症状です。
不均衡症候群を防ぐには、初めは短時間での透析を行いましょう。慣れてきてから、3〜4時間の透析をするようにするのがポイント。また、食事制限をしっかり守ることも大切。透析患者は水分を摂りすぎないことも大切。食事制限を守り、不均衡症候群を防ぎましょう。
透析によって体内の水分を取り除く(除水)ので血圧が一時的に下がることがあります。貧血時にも起こりやすくなります。そのほか、糖尿病や動脈硬化があると、血管の弾力性が下がって血圧が下がります。
症状としては、生あくびや眠気、顔面蒼白、動悸・息切れ、吐き気などが挙げられます。徐水量を減らすために、水分摂取を抑えることが大切です。また、血圧の薬を服用している場合は医師に相談しましょう。
透析を受けていると、抵抗力が落ち感染症にかかりやすくなります。悪寒や発熱、頭痛などが起きた場合には注意が必要です。細菌をできるだけ身体に入れないように、うがい手洗いを徹底しましょう。また、透析後はシャント部を不潔にしないよう気をつけましょう。
徐水量が適切でない場合や、血液中の電解質のバランスが崩れると、筋肉の痙攣を起こすことがあります。特に足の筋肉に起こりやすいと言われています。筋肉がこわばったり、痛みがある場合は注意しましょう。予防のためには、透析後急に身体を動かさないように注意をしましょう。水分制限を守り、除水を適切にできるようにすることも大切です。
これも除水や血圧低下によって起こる症状。胃や腸の血の巡りが悪くなると腹痛が起きやすくなります。便通を整えたり、腹部をよく温めることで予防ができます。お腹を冷やさないよう気をつけましょう。
透析で逆に血圧が上がることも。塩分や水分の摂りすぎ、過度のストレスが血圧上昇を招きます。症状としては、頭痛や吐き気、イライラ、肩こりなどが挙げられます。食事制限を守り、塩分や水分を摂りすぎないように気をつけましょう。
腎臓の機能低下によって、カルシウム代謝異常が起きると肌のかゆみを感じることがあります。また薬の副作用、アレルギー、尿毒素の蓄積などもかゆみの原因になります。
これを直接予防するのは難しく、十分な透析をするのがベスト。症状が出たら、タオルで拭いたり、保湿をしたりしましょう。あるいは、かゆみ止めを使う方法もあります。
このような症状が出るようなら、まずはクリニックで医師に相談することが大切。早めに相談して、ひどくなる前に解決しましょう。
あるいは、透析回数を増やしてみることでこれらの不調が解決するケースもあります。自分のペースで、必要な回数の透析ができる在宅透析なら、これらの身体の不調を解決できるかもしれません。体調に不安がある方は、ぜひ在宅透析も検討してみてください。
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