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血液透析を行う上で、まず大変なのは食事の制限。栄養状態を保ちながら、塩分やカリウム、リンの摂取量をコントロールすることが必要になります。
これによって、毎日の食事を用意するだけで大変だと感じてしまう方もいらっしゃいます。しかし、実は重要なポイントさえ守っていれば、それほど不自由な思いをする必要はないのです。
ここでは、食事制限の押さえておきたいポイントをご紹介します。
安全で快適な透析を行うために、食塩は1日6グラム以下の摂取に抑えておきましょう。塩分を摂ると喉が乾きます。喉が渇いて水分を摂る量が増えると、体内に余分な水分が溜まってしまいます。この水分が、透析中の血圧を下げ、体調不良を招く恐れがあるのです。
食塩量を減らすためには減塩醤油を使ったり、レモンや柚子、からし、酢などの調味料を使って上手に味を整えるのがポイント。塩分以外にもおいしい味付けができるものはたくさんあります。
また醤油やソースを使うときも、直接料理にかけるのではなく、小皿にとった醤油やソースに少しつけて食べるなどの工夫ができます。
上でも触れたように、水分の摂りすぎは安全な透析の妨げになります。血液透析をしている方は、水分をできるだけ減らすことが必要なのです。
とはいえ、水分を全くとらないわけにはいきません。水やお茶などから摂る水分は600〜700mlが目安とされていますが、医師の指示を確認することが大切です。麺類や鍋物、汁物などは水分が多いので、摂りすぎに注意をしましょう。
カリウムやリンは筋肉をつくるために必要なもの。しかし、摂りすぎは禁物です。本来なら余分なカリウム・リンは腎臓から排出されますが、透析患者はそうはいきません。
カリウムは、野菜や果物に多く含まれるもの。特に野菜やフルーツジュースにはカリウムが濃縮されているので控えておきましょう。
野菜を食べる場合は、しっかり茹でこぼしをするとカリウム摂取量が減ります。細かく切って、水にさらしてから調理するのも良いでしょう。
動物性・植物性たんぱく質を摂ると、一緒に摂取されてしまうのがリン。たんぱく質の量に対してリンの量が少ないものを選んで食べれば、肉や魚、大豆製品を摂りやすくなります。
避けたほうがいいのは、ヨーグルトやチーズ、牛乳などの乳製品、骨ごと食べられる魚、魚卵、ハムやソーセージなどの加工食品。鶏むね・もも・ささみ肉や、牛もも・肩ロース、豚ロース・もも肉などはリンの量が少ないので、肉を食べるならこれらがオススメです。
これらのポイントを守れば、食事はそれほど厳しく制限されるものではありません。しかし、それでもつらいと感じる場合には在宅透析を利用する方法があります。在宅透析では透析の頻度を増やしたり時間を長くしたりできるので、体調を整えられ、それによって食事の自由度を高めることもできます。ぜひ検討してみてください。
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